FCR冬支度と素人キャブレター考
冬です。気温も順調に下がってウンザリですね。冬は嫌い。色々な後遺症がアレなので。
SRXのFCRを冬セッティングに変更しました。
夜中に新名神を流しているとパワーバンド
手前からの再加速でトルクが上滑りするような、景気よくエンジンは回るけどパンチ無く速度がついて来ないような状態に。
燃調外れて来たよ〜のサインを自ら教えてくれるとは非常に分かりやすく優れたバイクです。
面倒臭いなぁ。4発よりはマシだけどなんで
単コロに2機ついてんだ
脱着を繰り返しまくっているのでもう慣れた物ですが、タンクを外して行う作業は面倒ですね。。
あまり日常的に目視確認出来ない部分の分解時にはお世話になってるバイク屋、
パワーステーションの店長から学んだ考え方
「故障と異常の事前検知と未然予防、損耗部品はケチらず一気に全換えが一番お金掛からない」
をモットーに軽くチェック。
ファンネル×アレスター×パワフィル仕様
分解前に、、
フィルターは‥
異常に濡れていない?
ガソリン臭はどう?
スポンジは変質していない?
ゴミは沢山ついていない?
ファンネル周囲、ボディは‥
吹き返しで妙にギトギトになっていない?
ガソリン着色以外の変な汚れはない?
水分流入の痕跡はない?やたらボルトに錆が付いてるとか
個人的に重点チェックポイント
一発目にフロートから抜き取ったガソリンは捨てずに確認。年式も年式なのでタンク内と燃料流路の錆ゴミチェックは欠かせません。
ベロベロ粉々になったパッキン類の欠片とか動物の毛が混じってたり。(実例)
御開帳〜。2018年に内部部分全交換済なのでキレイなもんです。
SJも交換するのでフロート室も開けましたが綺麗ですね。
底に溜まった汚れもガソリン着色汚れ程度。
燃料フィルターを噛ましてから微細な謎の
黒いゴミ問題も解決。良かった‥
FCRの弱点、ボディ減りを解決する「共立工芸」さんのSEPベアリングガイドをチェック。摩耗も痩せもありません。今年の頭につけてからフィーリングの変化も無し!お勧めです本当に。
ニードル抜き取りには握れば摘む、離せば閉まるセリアの逆作動ピンセットが便利
ニードルに段付き摩耗はない?先端は?
MJ、SJ、PS、ASをサクっと冬用セットに変更してチラッとポートも確認。店長が強迫性障害のように削り込み磨き上げたポートはガソリン着色の汚れのみで未だに輝きを保っていますね。最高です。良い仕事です。
インマニには劣化防止にKUREラバープロテクタントをビシャビシャになるくらい吹き掛けます。
そんなもん気休めの域を出ないと言われても毎分解毎に吹きます。一種の実証実験です。
FCRのボディ汚れも軽く拭いて組み付け
テスト走行の結果は良好。冬セットの想定気温(〜13℃)より少し高いので下がリッチ側に振れ気味、アイドリング域で少しトロ火の気はありますが、
叩きつけるようなブ厚いトルクと完璧に追従する谷の無い連続的な爆発感。
これぞビッグシングルって感じで真冬も安心して乗れるでしょう(乗るとは言ってない)
冬場は2極プラグに戻した方が良いのかもしれません。始動のカブりがちょい怖いので。
で、ここからは素人なりのセッティング考です。
各ジェットの分担がとか理想的な空燃比がどうだとか燃焼工学的には〜とかそういう専門的な話はここではさて置いて
キャブレターというファジーな物の楽しみ方というか向き合い方というか、そんな話です。キャブレターセッティングはデータの部分とフィーリングの部分と半々なので。
上記は私のセットアップデータ。
FCRの口径は35で、加速ポンプは片側を殺してあります。
マフラーはガレージスラクストンの
フルエキデュアル
エンジン側はポート加工。点火系はノーマルです。プラグはイリジウム。
真冬の初期セット出しはバイク屋の店長に依頼し、そこから色々と質問しまくって(営業妨害)助言を貰いマフラー変更を経てこんな感じに落ち着きました。
加速ポンプに関しては公道で使用する単気筒に加速ポンプ2連装は明らかに過剰で
いたずらに燃費が悪化し全域でリッチに振れるばかりで扱い辛い。
片側を塞ぎ、もう片側の圧力を高めより奥まで燃料を噴射できれば良いな‥との由。
プロにセットアップを依頼する際も、自分で弄る際も
「使用用途」
「どのような道をよく走る?」
「自分のライディングスタイルとアクセルワークの癖」
「現状の不満点」
「どの領域を伸ばし、どの領域を犠牲にするか(最最重要)」
この視点をブレずに持てるか、プロに依頼するなら上手く言葉にしてディスカッションできるか?
が重要なのではないかなと。
沼にハマらない為にも。
「何でも良いから今より全部良くしたい」
「FCR入れれば何か良くなるって聞いて」
がスタートだと普通に失敗します。
よくありがちです。
ネットに落ちてるデータを真似する際も
車体構成と
可能であればその人の狙い(伸ばそうとした領域)と普段どのようなシチュエーションとアクセルワークで走っているのか?(街乗り?峠?コース?渋滞は?高速多様?etc)を聞けると理想的で手っ取り早く正解に近付けますよね。
真似しようとするライダーの住む地域がどこかという要素も大きいと考えます(走る道がどんな感じかの関係で)
ただの真似は遠回りです。
私のセットアップにそんな取り留めもない話を当てはめますと、
使用用途
→山間部メインのツーリング、街乗りと高速もそれなり。
どんな道?
→砂、砂利、苔、穴、フレーバーてんこ盛りの酷道と正面衝突上等の狭路、北大阪特有のブライン道
ライディングスタイルとアクセルワークの癖
→どちらかというとオフ寄りのあまりバンクを多用せず回頭性を使う乗り方。
ブレーキよりも強いエンブレに頼る。ブリッピング無しで一気に落としこむ事もままある
アクセルワークで言えばパーシャルでブラインドコーナークリア待ち〜少量の多段アクセルで低μ路にタイヤを噛ませて一気に開ける。
一定開度でホールド〜一気に開ける乗り方はあまりしない?かな?(サーキット走るようになって最近少しやる)
現状の不満
→アイドリング域でのトロ火(冬場のみ)(レーシングキャブレターにアイドリング域を求めてはいけない)
どの領域を伸ばし、どの領域を犠牲にするか
→元より最高速は期待出来ない、高速巡航は楽しくないバイクなのでトップエンドの突き抜けは重視しない。
どのようなアクセルワークでも完璧に追従する、パーシャルから雑なワイドオープンでも谷や失火が無い、
ビッグシングルはトルク、トルク感は失わないように。
トルクで走りトルクで曲がりトルクで止まる。トルクこそ正義。
こんな感じの目標を設定して、初期セットを依頼しました。
このわがまま放題を聞いて下さりパワーと燃費を両立させて下さった店長の技術力には脱帽しきりです。
自分なりに大きくセットアップを変えようとした時期もあったのですが、
結局店長の理論に収斂してしまいました。やはりプロは凄いですね。
最後に、今年の平均燃費と直近の燃費データを。今年はロングに出ず近所の山間部で気晴らしばかり&どうせコロナでそんなに走らないだろうと春先セットアップのまま
ゴリ押したので優れない結果ですが
600ccにしては健闘。。
大雑把でも燃費データは
シチュエーション別アクセル開度と自分の乗り方、セットアップの弱点を知る非常に良い
ヒントになるので是非。
オチは無いです。
以上。