天晴!!北摂番外地

何年前のどの時期に、自分が何をやっていたのか記録を残したいのです。脊椎損傷からのリターンライド組です。基本はバイク、ツーリング、サーキット、趣味他好きな事をゴチャっと。メインの乗り物はSRX600とNV200、ベンリィ50s。ツイッター→@chikuwa_sr_max

SRXを1万キロ乗って 〜走行インプレ編〜

前回の続き、SRXを1万キロ乗っての走行インプレ編です。

 

SRXを選んだ理由

 


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愛車近影

 

ありがたい事に今は左脚の痺れ程度の軽い後遺症だけで日常生活を送れていますが、
16年8月に事故で脊椎を破裂骨折、あわや下半身不随か!のそこそこの怪我をしました。

骨折箇所にボルトを入れて1年半固定。再手術で取り出して、
リハビリからのリターンライドという事で。

 

事故前はカワサキのA型Z1000を所有していたのですが、当時は身体機能がどこまで回復するか判らない状態でしたので重いリッターバイクは論外、とにかく軽くて足付きがいい車種ってのが第一条件。


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在りし日のZ1000。荒々しいエンジンでこれは楽しかったなぁ。自走で九州行ったり色々しました。

 

 

リハビリしながら考えた、今の身体でも乗れる理想のバイクは・・

少しはスポーティな感じで、スポーツ走行ができない程後遺症が残った場合でもゆっくり楽しめる奴で、高速道路まともに走れるだけの馬力と、トルクもたくさん欲しいぞ、オイル代タイヤ代ガソリン代も安く済む奴で、モタードは乗ってた事あるし今回は無しで、10年カワサキ乗ったから次は他のメーカーで・・なーんてわがまま放題が叶うバイクなんて無・・


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あったよ!SRXが!

 


というのが顛末です。

 

 

取り回し〜街乗り

乾燥重量たったの149kg!最近のフルカウル250ccと同じくらいかそれより軽いです。
押し引きは軽々自転車並み。サイドスタンドに車体を預けて180度ターンなんて事も出来ます。(スタンド痛むからやらない)


シート高も760mmで、跨りさえすれば坂でもどこでも蹴って移動出来てこれまた楽。スリムさ故に停める場所も選びません。

 

街乗りは下からの太いトルクと軽快なダッシュ力で発進も巡航もストレスを感じません。エンジンの発熱量も大した事無いし、クラッチも軽くて夏の渋滞もへ〜ちゃらです。

いつでもどこでもUターンかませるし。


ライトが暗いのと、特有の振動からミラーが「後続車が居るか居ないか」の確認しか出来ない鏡になるのがね・・
あまりしないですがスリ抜けはスリムさと絞りの効いたハンドルで原付バイクと同じ感覚でいけます。

夏場にエンジン熱で無駄な体力を持って行かれなくて済むのは単気筒の魅力ですね。

 


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本当に真夏が楽。

 

燃費に関しては、自分の3SXはノーマル状態と離れたチューニングをしてあるのであまり参考にならないかもしれませんが、

街乗りで22〜24㎞、高速でセッティングに合う気候なら30〜34㎞くらいは平気で走ります。

ワインディングで5000回転以上を使い続けると途端に18㎞とかに落ち込みますが、600ccのバイクにしては非常に優秀です。

給排気、摺動抵抗を徹底的に除去した効果が出て満足ですね。

 


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燃費の一例。


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納車から9ヶ月間の平均。



 

 

田舎道〜峠道

ネットや雑誌のインプレ等でワインディングが楽しいのは知ってましたが最高に楽しいです。
250ccより軽い車体を48馬力で走らせるので、それはもう自由自在。軽いは正義ですね。

 

大きい振動を伴って太いトルクでもって緩急を大きくつけてババババッと軽快に走るのは本当に心地良いです。

馬に乗った事はありませんが、手綱を引いて鞭を入れるようなイメージが有り、「操ってる」感がとても良い。

 

リッタースポーツとかと良い道(速度の乗る広くて見通しの利く綺麗な)にツーリング行くと絶対的に力不足ですが、離れたって前後差1〜2分以内には納められるので問題無いです。というかもう前みたいなスタイルで走りたくないのです。腰痛えし。

 

意外と剛性のあるフレームと古いながら良く動く足、過剰なくらいのでかいブレーキで山道で怖さを感じる場面がとても少ないです。
軽量ゆえにリッターバイクではとても出来ない体を使ったリカバリ(足で地面を蹴るとか)も出来るので余計にそう感じます。

 

コーナリング

SRXが生まれた時代背景的にも
YAMAHAハンドリング」がとても色濃く出た
バイクだと思います。
今までカワサキ車ばかり乗り継いでいたので慣れるまで時間が掛かりましたね〜。


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レアな関西ミーティング

 

リアステアが凄く良く利くし、バンクを始めると働きかけなくてもまるで倒れ込むかのようにインにグイグイ入って行くなという第一印象(カワサキ比)。

 

ライン取りも車体の軽さと細さから上り下り関係無くどこからでも入れてどこからでも立ち上がれる気さえします。

 

カワサキのインのステップ踏んづけて外からタンク蹴り込んでオラ!曲がれ!って無理矢理インに入れて、立とうとするバイクをリアブレーキ引き摺って更に入れて・・みたいなのとは真逆のしなやかな感じでスーっと走る。

 

雑誌なんかのインプレで良く「軽量ゆえのヒラヒラと軽く舞うようなハンドリングが〜」的な事が書いてありますが、軽い事は軽いですが意外と粘る昔ながらのハンドリングです。

挙動も、唐突にスコーンと限界を超えるような事も無く徐々に滑るのでとても分かりやすい。

セッティング次第なのかもしれないですが、ハンドリングの軽さならSSが圧倒的に上です。


コーナーを自分のペースで楽しむだけで、サーキットなんかで速く走らせる場合とは違うでしょうけど、
一次旋回に入るまでに思いっ切り前荷重で前足を入れる、と同時に一気に一瞬のフルバンクまで持ち込む。
一次旋回を過ぎたらアクセルを開けていくのみ、一気に後ろ荷重に切りかえてリアステアでラインをちょい修正しながら
バイクを立ち上げて脱出ラインに乗せてトルクに任せて脱出〜みたいなのが楽しくスムーズな走りが出来るかなと感じます。

 

ヤマハ車がそうなのかSRXだけなのか分かりませんが、一次旋回を超えた後にブレーキをコスるような動作で姿勢を変えようとしてもどうにもならない感じがします。

 

所有していたZ1000はわりとリアをコスって姿勢を変えれたので、最初の頃は同じ感覚で走って何度か突っ込みかけました。


「左右(バンク角)を動かす」のは最小限で、アグレッシブに「前後(荷重)を動かす」事が重要なバイクかと思います。

 

高速〜長距離ツーリング

流石に600ccもあるので免許がブッ飛ばない範囲の合流、巡航、追い越しは全く問題無いです。5速4000回転ちょっと回せば大体100㎞でご機嫌な巡航が可能。

横風には弱いですが直進安定性も問題無し。

車線変更や継ぎ目も特に気になりません。

 

メーターに書いてある数字前後は大丈夫です。(妄想ですョ!)機械式メーターの精度がアレ

な上、後半変な動きなので実際出てるのかは分かりませんが。

 

ネイキッドゆえ前方からの風が流石に辛いのでバイザーかお洒落なロケットカウルが欲しいですね。

自分はamazonで1800円のバイザーで幾分楽になりました。

やはりビッグシングルなので高速巡航での振動は・・振動、振動は・・・ね。

 

自分は高速道路を休憩無しで3時間以上連続走行は嫌ですね。

両手は手首が振動で粉々に砕け散り尻肉から尾てい骨が突き出して絶命です。

そうならないようにちゃんと休憩します。

1日600㌔も走ればお腹いっぱいです。

 

頼んでもいないのに店長がタンデム部分を切断してシングルシート仕様(クソ格好いい)にしたので積載性は絶望的です。ノーマルでも積載性は悪いかと。シングルシートカウルの中は結構スペースがあるのでETC、車載工具、タオルなんかを入れてます。

 

自分はキャンプツーリングもしたいのでシングルシートを貫通してシートレールに固定出来るワンオフキャリアを作製して、積載性を確保しています。


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自作の左右パニアも着ければかなり載ります。

来年は北海道にも行きますよ〜行く行く。

 

 

〜まとめ〜

 

  ー「「ビッグシングルスポーツ」」ー

国内メーカーからジャンルそのものが消えて久しく、実際の走りを目にする機会も無かった事もあり、

癖が強くて一点特化で乗り辛い・・玄人向けのマニアなバイク。スタイリングの為に色々犠牲にしてんでしょ?

そんなイメージが先行していました。

 

乗り始めてみると、適度な前傾でフレンドリーなポジションと立ちゴケなんてあり得ないスリムでナローな車格、下から豊かなトルクの出るピックアップの良いエンジン、良く利くブレーキ・・

 

普通に走れば癖の無い、気負わずとも素直に走ってくれる基本が出来てる良いバイクです。これには逆に驚きました。何の事は無い、一点特化どころかどのシチュエーションでも万能です。ビギナーからエキスパートまで誰でも楽しめます。

 

いつもより1速高いギアで2000回転からゆっくりワイドにアクセルを開けて振動とトルクを味わいながらのんびり景色を楽しんでも良し、

 

そこから少し顎を引いて背中を丸めて、1速落として5000回転から弾けるパワーで地面を蹴り出して鋭くコーナーに切り込んで軽快に山を駆け抜けるも良し。

乗らずとも(自分はサボってるけど)磨いて磨いて、現代でも色褪せないスタイリングを楽しむのも良いでしょうし。

 

SRXは他のトラディショナルな単気筒バイク同様の「味」をしっかりと持つバイクです。

 

しかし他とは違い「優しい味」「パンチの利いた味」も併せ持つ更に魅力的な単気筒バイクです。

人に魅力を伝えようにもそれは、

「乗れば分かる、乗らなければ一生分からん」タイプの、数値や言葉ではなく感覚、感性での事で・・

 

だからこそ、このジャンル、このバイクは最初に抱いた印象に行き着き、消滅してしまったのかも。と納得してしまいますね。

昨今のバイク人気にあやかって是非とも復活して頂きたいものです。

 

 

1万キロ走って、感想はただ1つ。

 

 

  「SRXはいいぞ・・」

 

 

 

 

 

それでは。